お客様に喜ばれる企画を提案できるようになったらいいのにと思っていませんか？
いままでの企画の考え方を本書を通じて少しだけ変えると、
頭を抱えながら企画を考えていた苦労が嘘だったかのように、
たくさん思いつくようになります！
まず大事なことは、
モノを売るための企画を考えるのはやめてください
モノを売る時代は終わりました
提案するのは価値です
本書について
内容紹介
新人商品プランナー・宮前久美が挑んだのは、「Appleにできて日本企業にできない壁」だった。彼女は日本が抱える課題――「高品質・多機能。でも低収益」から脱却できるのか?
コトラーからブルーオーシャン、キャズム理論まで、マーケティングがわかる10の物語
「顧客が言うことは何でも引き受ける」という日本人の勤勉さは、高度成長期を通じて無類の強さを発揮しました。しかし、それは同時に過当競争を生み出し、差別化ポイントを失わせ、「高品質なのに低収益」というアイロニカルな矛盾を生み出しています。
本書のテーマ――顧客中心主義とは、「顧客に振り回される」ということではなく、「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」ということなのです。
(著者あとがきより)
目次
- 第1章 アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか？ 事業の定義
- 第2章 「お客さんの言いなりの商品」は売れない？ 顧客絶対主義の落とし穴
- 第3章 顧客の要望に100％応えても0点 顧客満足のメカニズム
- 第4章 値引きの作法 マーケットチャレンジャーとリーダーの戦略
- 第5章 キシリトールガムがヒットした理由 バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
- 第6章 スキンケア商品を売り込まないエステサロン 競争優位に立つためのポジショニング
- 第7章 商品を自社で売る必要はない チャネル戦略とＷｉｎ‐Ｗｉｎ関係
- 第8章 １００円のコーラを１０００円で売る方法 値引きの怖さとバリューセリング
- 第9章 なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか コミュニケーションの戦略的一貫性
- 第10章 新商品は必ず売れない？ イノベーター理論とキャズム理論
感想
本書は10年間セールスひと筋で頑張ってきた宮前久美が東京の転勤をきっかけに
営業から商品企画部に転属し、先輩の与田さんに考えた企画を毎回ボロボロ(笑)にされながら奮闘するお話です
物語形式で話が進むので、ストーリーが頭に入ってきやすく、
主人公がどういったことに苦悩して、どのようにして解決していくかがわかりやすく書かれています
本書を読むまでは、
企画の仕事は認知度を増やしてモノを売るためのイベントやキャンペーンを考える仕事だと
思っていました
- 一つでも多く売るために割引キャンペーンをすればいいのか？
- 有名人や有名キャラクターとコラボすれば売れるんじゃないのか？
- 広告を出せば認知度が増えて興味持ってもらえるんじゃないのか？
こういう考え方で企画を立ててもうまくいかないようです
例えば、本書で紹介されている「バリュープロポジション」
バリュープロポジションとは
顧客が望んでいて、競合他社が提供できない、自社が提供できる価値のこと
与田さんから企画をボロボロにけなされて、
初めて素直にアドバイスをもらったときに教えてもらったことが
バリュープロポジションでした
主人公は自社サービスの会計ソフトについて一生懸命考えた末にこのように結論付けました
・顧客が望んでいて
会計ソフトを通じて、会社の経営状況の”見える化”をはかる
・競合他社が提供できない
会計ユーザー視点ではなく、経営者視点のサービスの提供
・自社が提供する
会計業界で有名な自社の主席コンサルタントのノウハウを会計ソフトと共に提供する
バリュープロポジションを掴んだ後は
適切なお客様に、
適切なタイミングで、
適切な価格で提供することで
物語はハッピーエンドに向かっていきます
経験談
夏の寝苦しい夜に快適に寝れるベッド「風眠」
冷感ジェルやエアコン、冷感パジャマなどで乗り切ってきましたが、
毎年熱くなっている夜を寝るのは一苦労でした
世の中には快適に寝るベッドは多く存在しているけど、
涼しくて快適に寝れるベッドはほとんど存在していません
特に寝ているときにだんだんと背中が暑くなって夜中に起きることがとても困っていました
この「風眠」と出会ってからは、
ベッド内に通る風で背中が冷やされるので、
朝まで起きることがなく快適な睡眠を得れるようになりました
風眠をバリュープロポジションに当てはめて考えるとこのようになると思いました
・顧客が望んでいて
寝苦しい夜を快適に過ごす
・競合他社が提供できない
空調服で培ったノウハウ
・自社が提供する
空調機能付きのベッド
商品ページには次のように書いていました
空調服のように風を直接感じるというよりも、空調ベッド内部に風が流れ、不快な熱や湿気を排気する商品です。
冷感ジェルシートのように使用経過とともに暖かくならず、体との接着面に熱がこもりません。
直接、冷たい風で身体を冷やすわけではないので、冷えすぎず、快適に使用が出来ます。
残念なことにどこのお店にいっても店頭で見かけることがないため
ほとんど知名度がないようですが、
寝苦しい夜に一度も起きることなく、快適に過ごせるベッドがあります
と店頭で提案されると即購入しています
世の中にこれほど素晴らしい商品があるのに知名度がないのが残念過ぎます
まとめ
きちんとした考え方に沿って企画を考えれば、
求めている人にはちゃんとモノの良さが伝わって手に取りたくなる人が多くなると感じました
企画や営業の仕事でお客様に提案することがあるなら、
この本書通りに仕事を進めるだけで喜んで自社サービスを購入してくれる方がものすごく増えそうで、
営業職ではないですが試したくなりました！
ここでは書ききれない魅力がたくさん詰まった本ですので、
ぜひお手に取って読んでみてください
あなたの企画が劇的に変化すると思います！
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